2012年9月28日

藤田嗣治「秋田の行事」、藤田嗣治作品の移転、移設は、「文化の破壊」

 秋田県のウェブページによると、新秋田県立美術館について、「(公財)平野政吉美術財団所蔵の藤田嗣治作品による文化の創造」ということを謳っている。新美術館は、現県立美術館(平野政吉美術館)にある大壁画「秋田の行事」を始めとした藤田嗣治作品、平野政吉コレクションをそのまま移転、移設することを考え、予定しており、「文化の創造」と決して言えない。現県立美術館(平野政吉美術館)は、秋田の資産家・平野政吉と世界的画家・藤田嗣治の永年の交友により、その集大成として、その最後に建てられたものである。そこに収蔵されている平野コレクションとは、離すことができない一括りの「文化」になっており、それによって「文化的価値」を高めている。これからも末永く保存し、次代に伝えて行くべきものである。また、現県立美術館(平野政吉美術館)は、1998年(平成10年)にリニューアル工事が実施されており、外観上、老朽化も見当たらない。この美術館から、「秋田の行事」、藤田嗣治作品を切り離し、新美術館に移すことを実行することは、平野政吉が築き上げた「文化」を壊す、「文化の破壊」以外の何者でもない。



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